暦の上では春立ちましたが、変わらずの厳しい寒さが続いております。
いかがお過ごしでしょうか。
石井と申します。
新人であります。
劇団には昨年の9月に参加しましたので、5ヶ月が経過したというわけです。
時の流れが早い。早すぎる。
入団当初には稽古場のある札幌市元町まで自転車を漕いでいた(25分)というのに、あっという間にすっかり雪景色、吹雪景色。自転車どころか歩くことすらままならない。
これが問題である。
自力で行けない以上は他力に頼るほかなく、渋々地下鉄に乗ることになる。
なにが問題なのか。
自力で移動できる距離を公共交通機関に頼り、お金を払うということが。
チカテツタカクナイカ? チカテツハタカイ!
-ウルサイ!
ホントウダカラダ! ホントウノコトヲイッテナニガワルイ!
こんな感じの問答も思い出される。
関係者の方々、誠にすみません。
結局普通に地下鉄で移動しておりますのでお許し願いたい。
調べてみると、往復の500円分は小学生の小遣いか。あるいはサラリーマンのランチくらいか。
当方大学生でして、それほど親近感が持てず申し訳ない。
しかし、考えてみればそれ以上に払っているものがあることに気づく。
劇団には会費が存在しまして、1回出席で1500円、1ヶ月満額で12000円(学生は9600円)となります。
※出席するほど1回当たりの料金がお安くなっていく仕組みですね。お得ですね。
ということで、計算上私は1回出席のために少なくとも800円払っていることになる。(但し週3回、1ヶ月が4週であるものとする。)
比較対象が違いすぎるという指摘に関しては受け入れざるを得ないが、この心理的抵抗の差はあまりにも大きいように感じてしまう。
どうやら、お金の対価が自己の内面に関わるほど心理的抵抗は減少するという単調減少のグラフが書けそう。
電車に乗ることで内面に顕れるようになるものは思いつかないが、入団して稽古を重ねることは役者としての力を磨くだけでなく、自らの人間性を磨くことにもつながるということを経験が浅いながらも感じている。
ここまで書いて思ったが、めちゃくちゃ当たり前のこと書いてないか?当たり前のこと書いてる!
-ウルサイ!
アタリマエダカラダ! アタリマエノコトヲイッテナニガワルイ!
私は今まで書いてきたようにお金を払う側の人間であるだけでなく、舞台を通じてお金をいただく人間にもなった。
昨年12/24、25の公演に出演させていただき、人生初めての舞台を経験した。同じシーンで関わる役者さんの内面に関われただろうか。自分の演技は見てくださる方々の内面に関われただろうか。
あくまで浅い自分の勝手な考えだが、両者ともなければ作品がお客様の心に関わることはできない気がする。
ここまで偉そうなことを言っておいて、私はそのどちらも達成できなかったのです。
前者は役者としての力、経験のなさからくるものだろうが、後者は人間性にも原因のあることかもしれない。
作品をなにがなんでも見てほしい、自分の(他人の)このシーンを見てほしい、意地でもいいものだったと思ってほしい…
ただこなすのに精一杯で、ここのあたりの感情が薄いのですね。
「見せるもの」という意識がなかった。
だから本番、舞台に踏み出した瞬間、分からなくなりました。
なにをするのか、なにを見てほしいのか。
稽古の時間だけは確保していたので、台詞が分からなくて呆然とすることは少ない。ただ音を発するだけの私は、マズい、キツいと思いながら2日間の公演を終えることになります。
公演終了翌日に見学した先輩方の稽古は凄かった。力の違いを歴然と感じた。台詞が、物語が、こちらに向かってくるのです。
何が違うのでしょうか。
きっと全てが違う。役者としての力、経験、そして作品にかける熱量…
あ、「海の底からホップステップじゃぶじゃぶ~深海2000メートルの奇跡~」のことです。是非ご観劇下さいますようお願い申し上げます。(https://twitter.com/makinium/status/1620724123474464768?t=fu4I-ITRa-2sLZieWyfZfA&s=09)
少しでも追いつきたいですね。そもそも役者としての力をつけねば。次回公演があれば、もっと力と想いを携えて舞台に立てるように。
やってみます。